百日咳

 感冒の咳がいつまでも続き、夜も十分に眠れないという方がおられます。その中に、百日咳の患者さんが多く存在することが最近わかってきました。百日咳はこれまでは乳幼児の病気として知られてきましたが、最近は大人の間で流行しています。
 診断法として、細菌培養、遺伝子診断(PCR法もしくはLAMP法)、血清診断があります。以前は、通常の臨床では血清診断法の1つである、凝集素価の測定を行っていました。これは、採血をして流行株(山口株)もしくはワクチン株(東浜株)の凝集素価の上昇の有無を見ます。現在は、酵素免疫法(EIA)法でPT(百日咳毒素)抗体とFHA(線維状赤血球凝集素)抗体を測定します。PT抗体が判定に重視され、ワクチン未接種者では10EU/mL以上、ワクチン既接種者では100EU/mL以上あれば百日咳の感染を疑います。
 百日咳とわかった場合は、通常マクロライドと言われる種類の抗生物質を投与します。しかし、抗生物質で百日咳菌を退治しても、菌が出した毒素は残るため、当分咳は続きます。早く治すには、一日も早く百日咳菌に効く抗生物質を服用して、毒素の分泌をできるかぎり減らすことが大切です。


京都市中京区 内科皮膚科 西村医院
(下京区四条烏丸より徒歩5分)
(下京区四条河原町より徒歩15分)