原発性アルドステロン症

 原発性アルドステロン症は、副腎にアルドステロンというホルモンを出す腫瘍ができる病気です。アルドステロンは、塩分を体にため込む作用や、血圧を上げる作用があります。腫瘍そのものは良性ですが、アルドステロンそのものが高血圧をもたらすなど、体に負荷を与えるため、予後はよくありません。これまで希な病気とされてきましたが、最近の研究で決して希なのもではないことがわかり、医療を行う側も注意して診療を行っています。
 血液検査では、低カリウム、低レニン、高アルドステロンが見られます。
腹部CTでは、一側性の副腎腫瘍が見られることが多いですが、直径が5mm以下の場合は、発見は困難です。たとえ、血液検査で原発性アルドステロン症が疑われ、CTにて副腎腫瘍を認めても、それが原因と決めつけるのは早計です。見つかった副腎腫瘍がホルモン非産生腫瘍で、対側に5mm以下のアルドステロン産生腫瘍がある可能性があるからです。確定診断として信頼できる方法は、副腎静脈のサンプリングです。カテーテルを使って左右の副腎静脈からの血液を採取し、いずれかに高アルドステロン血症を認めれば、診断は確定します。
 治療は、患側の副腎の切除が標準です。最近は、腹腔鏡で行うことが多くなりました。


京都市中京区 内科皮膚科 西村医院
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